04-2

ある日酔って帰って来た叔母が、真夜中にいきなり私の部屋に入って来た。

話し相手になれと、揺り起こされる。


私が眠い目をこすりながら起き上がると、叔母は酒臭い息で勝手に話し始めた。





あんたはね、不倫で出来た子やとよ。

姉ちゃんがね、店の客とデキちゃってね。


あたしは止めたとよ?

やけど聞かんくてね。


子供が出来たって時も、やっぱり反対したとよ。

けど、生んでしまって。


あんたの名前は、姉ちゃんがつけたとよ。

父親が好きな芸能人の名前から取っただけやって、笑っとったけどね。


あっ父親はね、認知もせんと逃げたとよ。

家族をとったっちゃろうね。

やけん、あんたの戸籍は父親の欄が空白。


あんたが小学校高学年くらいの時かな?

姉ちゃんには新しい男が出来てね、あんたを置いて一緒に逃げてしまった。


だから生まない方がいいよって言うたとに。

かわいそうな子…




自分の名前のしょうもない由来と、母親が水商売をしていたこと。


そして自分が不貞の子であることと、父親がいないという事実。

それに加えて、望まれて生まれたわけではなかったということを一気に聞かされた。


ショックだったけど、なんとなくこれまでのこと全てに納得がいった気がした。

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