04-2
ある日酔って帰って来た叔母が、真夜中にいきなり私の部屋に入って来た。
話し相手になれと、揺り起こされる。
私が眠い目をこすりながら起き上がると、叔母は酒臭い息で勝手に話し始めた。
あんたはね、不倫で出来た子やとよ。
姉ちゃんがね、店の客とデキちゃってね。
あたしは止めたとよ?
やけど聞かんくてね。
子供が出来たって時も、やっぱり反対したとよ。
けど、生んでしまって。
あんたの名前は、姉ちゃんがつけたとよ。
父親が好きな芸能人の名前から取っただけやって、笑っとったけどね。
あっ父親はね、認知もせんと逃げたとよ。
家族をとったっちゃろうね。
やけん、あんたの戸籍は父親の欄が空白。
あんたが小学校高学年くらいの時かな?
姉ちゃんには新しい男が出来てね、あんたを置いて一緒に逃げてしまった。
だから生まない方がいいよって言うたとに。
かわいそうな子…
自分の名前のしょうもない由来と、母親が水商売をしていたこと。
そして自分が不貞の子であることと、父親がいないという事実。
それに加えて、望まれて生まれたわけではなかったということを一気に聞かされた。
ショックだったけど、なんとなくこれまでのこと全てに納得がいった気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます