03-8

叔母からの嫌がらせは地味なものだったけど、中学生だった当時の私には、それなりにこたえた。



私だけ、朝ご飯を作ってもらえない。

私の洗濯物だけ、洗ってもらえない。

私だけ、夕食のメインがない。

私だけ、というのが辛かった。


話しかけても、無視される。



それでも学校に必要なお金だけはきちんと出してくれていたから、そこは感謝している。


自分の子じゃないから知らないって、捨てることだって出来ただろう。

なのに、実の母親に捨てられた私を、叔母は捨てなかった。



今でこそ、それに対しては感謝の気持ちが持ててはいるけど、当時はこの世で自分が一番不幸な気がしていた。


だから、自分の出来ることは黙々と自分でやる様になった。

いつか出て行ってやるって、決意を固めながら。



大人になって考えてみれば、私は所詮ただの姪っ子。


少なくともそれまでは、紗弥加と同じ様に扱ってもらえていた。

私が成績が良くて明るかった頃は、むしろ特別可愛がってもらえていたと思う。


だからこそ。

だからこそ、その落差がきつかったんだと思う。

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