02-4
しばらくすると、叔母夫婦の私への待遇も来たばかりの頃とは明らかに変わった。
進学の話を出してくる様になった。
今思えば、姪っ子である私を引き取ってくれただけでなく、進学させようとまで考えてくれたこと…それ自体がすごくありがたいことだと思う。
けれど当時は叔母夫婦はただ言いなりのロボットが欲しいだけだと思っていたし、その対象は誰でもいいんだと思ってた。
勉強もお手伝いも地域の掃除も、やりたくてやっているわけではなかった。
将来なりたいものなんてなかったし、何のために勉強しているかも分からない。
ただただ褒められたくて、構われたくて、いい様に目立つことなら何でもやった。
点数稼ぎをしていた。
それでいいと思っていた。
やりたいこともなりたいものも、特にない。
むしろ、決まった道を進む方が楽じゃないか。
何故紗弥加は、こんな楽な道を嫌がるんだろ?
変わってるわ。
放置されて育った私は、人に囲まれることに慣れていなかった。
初めてチヤホヤされ、何をやっても褒めて貰えるこの状況に酔っていた。
な~んだ。
人に好かれるのなんて、簡単なんだな。
そして中学2年になる頃には、叔母夫婦の期待のターゲットは完全に私に移っていた。
紗弥加の思惑通りの展開。
叔母としては、いい子である私を可愛がることで紗弥加の競争心を煽り、本当は紗弥加の方に進学して欲しかったんじゃないだろうか。
だけどそれに反して、紗弥加はどんどんグレていった。
そしてそれを最初は、親の干渉が外れて自由に羽を伸ばしてるんだと私は思ってた。
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