第8話

「え?でもっ……」




「断るなら断る。受けるなら受ける。はっきりしなよ。俺、中途半端なの大嫌いなんだけど」




秀ちゃんはそう言い放つと目を細めて私の髪から手を離した。




ドンドン不機嫌になっていく秀ちゃんに血の気が引いていく。




でも、断るとか受けるとか以前に…。




「秀ちゃんって私のことが好きなの?」




それが1番気になる。




好きで言ってくれてるならいいけど、本気で責任とか感じて付き合うつもりなら悪いし……。




ちょっと戸惑い気味に秀ちゃんを見上げたら秀ちゃんは、ふっと鼻で笑った。




「何それ? 好きとか愛してるとか言えば納得するわけ? それを言えば梨子は喜んで俺の彼女になるの?」




「違っ……」




「そんな安っぽい言葉たちを並べれば満足? 歯の浮くような台詞を言えば梨子は俺のことが好きになるの?」




堰を切ったように私に質問攻めをする秀ちゃん。



勢いに押されて何も言い返せない。




そんな私を見下ろして秀ちゃんは重たい溜め息を吐く。

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