第85話

「もう、恋斗ったら。ご馳走様くらい言ってよね」



楓ちゃんは頬をプクっと膨らませ拗ねていた。



可愛い…



双子並みに。




「ん……?おい!やべぇぞ!もうこんな時間だ」



矢雄斗は右手に着けている腕時計をあたしに見せてきた。



なんだまだ10時か…





って10時だとぉおお!?



流石に不良高でもこれは完全やばいっしょ!




「はい、お弁当よ!頑張って女子にモテまくるのよ!」



楓ちゃん趣旨がちょっと違いますよ…




「何かあったら遠慮なく言うんだぞ」



『組長さん、ありがとうございます』




「組長さん?俺はお前のパパだぞ?」




あなたの口からパパと言う単語は聞きたくなかったよ。



「何やってんだ!ほらバック持て。行くぞ」



矢雄斗はいつの間にかあたしのバックを持っていた。

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