第11話

「どういうことよ?」




思わずツッコんでしまった。



何なのこいつ。


あたしが下着姿だっていうのに平然と。


ピクリとも反応を示さない。


無反応。



普通、恥ずかしがるなり、嫌がるなり、テンションが上がるなり、襲うなり、逃げるなりするでしょうが。



どうして平気な顔をしているの?


有り得ないでしょ。





「あ、カーテンも閉めとくね」


「はいはい」




余りの反応の無さに何だか虚しくなり、あたしは溜め息を吐きながら落ちていたシャツを手に取った。



もういいや。


バカなことは止めよう。


何をやっても無駄。



玲哉はきっと女じゃなく男が好きなんだ。


きっとそう。


そう思っとこう。


その方がまだマシだ。




「じゃ、寝よっか」




あたしの複雑な気持ちも知らず、玲哉はカーテンを閉めると毛布を抱えてあたしのところに戻って来た。



頗るご機嫌だ。




あたしの気持ちも知らないで。

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