第99話

今日だけは特別だった。

太陽は東の空から生まれ、西に沈む。

月は、太陽の世界の間光を失い冷たい死体だけ残って空に存在していて、太陽を失った空で生き返り、輝く。

そんな普通が覆される日が今日だった。


今日だけは、死体の月が輝く太陽を胃袋に収めるのだ。


辺りが暗くなり、月の影が夜のような静けさを連れてきた。


それと同時に、千歳の心も暗い影に侵食され始めた。幻滅の闇が千歳と太陽を包む。



信じたいものなんてない

幻滅だけ残っただけ



和菜の存在に食われるように、千歳は光を失った。


太陽がまた、グラウンドを照らし出した。

去っていく闇に儚さを感じながら、あの子とわたしとを見比べる。


わたし達、全く違う生き物だったんだね。きっと分かり合えない。


きっと、同じ場所にいたら、どちらかを死なせてしまうよね。

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