第94話
「そういえばさぁ、弟、三年生なんだけどね。これ、実は三年の学級委員長の子が家に持ってくるはずだったんだよ。その子がムカつくの」
「ムカつくって何で」
「言いぐさが上から目線で嫌なの。弟に直接会いたいだって、元気なのか見てみたいだって言うんだよ。本当は自分が持って行きたかったって。それに、早く元気になれますようにだって。いい子ぶって、ムカつく」
二人の間に沈黙が流れた。千歳には、どうしてムカつくのか分からなかった。
そして、和菜の吐き捨てるような言い方が、千歳にはショックだった。
そんな風に誰かのことをムカつくと言って敵意を見せる和菜が。
和菜ちゃんはもっといい子だと思っていた。
この子もいつか、自分をムカつくと言い出すのではないか。
千歳の心に生まれた和菜へのほんの少しの幻滅が、千歳の心を侵食していく。
わたしの居場所、どこにもない。
学校には、もう、行きたくない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます