第68話

そんな、千歳を横目で見ながら、にやにやしている者がいた。


先生が席を立って教室を出ていくとそのにやにやしている者は、一人、二人と数を増やしていく。


その者たちは、前の席から回ってきた何かを見ると決まってその表情になった。

千歳以外の机に出回るのは、こんなメモだ。



処刑方法みつけた



それは、小さな箱が庭になった瞬間。

誰かの思惑で、パーツが置かれていく。十字架と、それに群がる観覧者たち。

箱庭に広がるのは、そんな殺伐とした景色だ。


うっかりしていた。

そのメモが和菜の手にも渡ってしまったのだ。

誰かが、あっと声を上げる。


和菜は、この小さな箱庭では異質な存在だった。みんな何かしらのグループに属していたが、和菜は違っていた。


和菜は瑠奈たちがつくるグループに属しているように見えるが、実際は和菜の居場所はそこにもなかった。

それにつけて、和菜は千歳を気にしている。


まるで、トモダチのように。

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