第67話

もうあんな危険な人物と関わり合いになりたくない。

心が壊れそうだ。

それか、壊れかけたまま時は止まってしまったのかもしれない。

朽ちることも、取り戻すこともない。

全部和菜のせいだと千歳は思った。こんな中途半端では、自分を可哀そうにも、幸せにもできないと。


自分の顔は、自分がまがい物だということを思い起こさせた。

人間だけど、人間じゃない。


だって、本当のお父さんとお母さんは、試験管に入っていた。人の形をしていなかった。


わたしは、人間まがいの物。

そうだ。それでいい。嫌なアイテムが二つあるが、自分の顔は、自分を可哀そうにさせてくれる。


もういい。わたしは、試験管ベイビーだ。


決めたのだ。自分が人造人間だということを受け入れることを。何者か聞かれれば、こう答えればいいのだ。


わたしは、何者にもなれない人形だ。人の形をしただけの空っぽの物だ。


これで、誰にも侵されることはないはずだ。

わたしの独りはわたしだけのもの。

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