第66話
困るのだ。
この膿みはじめた傷口に、誰かが消毒液をかけて、絆創膏を貼るなんてこと、あってはいけないのだ。
大切に、大切にしてきたのに。
誰も知らないはずなのに。
アイデンティティの崩壊だ。
本当の意味での。
これ以上、近寄らないで!
「早く行こう。朝のマラソンできなくなっちゃうよ」
千歳は、無表情でつぶやくと学校へ向けて走り出した。
舞台上で、かかっていた紅色の暗幕が開いた。
しかし、チルチルとミチルの兄弟は青い鳥を探しに出かけることは、ついにありませんでした。
「今日の図工の時間は、自分の顔を描きましょう」
先生がそう言うと、クラスのみんなは自分の机の画用紙に視線を移した。
机には画用紙の他に鏡を置いている。
鏡。自分の顔。
嫌なアイテムばかりだ。
鏡は、先ほどの和菜の瞳を思い起こさせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます