第3話
脚立を組んで登り、天井の火災感知器にライターの火をかざした。
小さな箱の中の外とは違う世界。雨が降り出した。
雑踏の中、廊下に出ると、火災報知器の赤いボタンを押した。
突然鳴りだしたサイレン。小さな箱に群がる蠅たちが大群で押し寄せてくる。
川の流れに身を任すように、その大群の中に身を置いた。
「何をしているの」
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