第56話

ドアを隔てて向こう側から少し小さな声が聞こえてくる。




個人のプライバシーだ、あまり聞いてはいけないと思いつつ聞き耳をたてるレイリード。




外出は、政治犯矯正の部署に入れられた罪人の気分転換のようなものに表向きはなっているが、

その実、政治犯を泳がせて、政治犯の裏にいる組織を捕まえようという目的があるのだ。





一人政治犯がいれば必ず裏に大きな組織が絡んでいるものなのだ。







「牢獄での生活はどうなんだ?」




「外での暮らしとそう変わりはしません。ただ、今日もそうなんですが、毎日担当の監守に見張られています」




「大学の方には、休学届を出しておいたから」




「ありがとうございます」





「ちゃんと食べるものは食べているのか?」





「はい」




イヴが少し笑う。




「なぜ笑う?」

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