第33話
10時になり、私は、ゆっくりドアを開け、耳を澄まし、マスターがいるか、いないのかを確認した。
さっきまで、聞こえていた足音が、聞こえなくなり、
私は、ホッとしながら階段を降りた。
しかしマスターは、まだ家にいて、ポマードでセットした七三の髪型に、セミオート型の眼鏡。裾短めのスラックス。いつもの格好に身支度をし、ダイニングの椅子に座っていた。
「ま、まだいたんですね」
不意を突かれた私は、思わず失礼な言葉を発してしまった。
するとマスターは席を立ち、私に背を向けた。
「鍵です」
マスターは、テーブルの上に鍵を置くと、こっちを見る事無く、足早に部屋を出て行った。
私の目には、やっぱり怒っているように映り、渡された鍵は、『鍵かけて帰って下さい』の意味に感じ、
私は、今日、帰ることに決めた。
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