第24話

リビングに戻ると、マスターとチロルが待っていた。



チロルは私に近寄り、私を慰めるかのように、再び顔をなめた。



「ありがとう」



私はチロルを抱きしめた。



「弥生ちゃん、さっきの2階の部屋空いてるから、シェルターだと思って少しの間泊まりなさい。……これからの事、ゆっくり考えてみて」



南さんは、さらりと話したが、マスターは驚き、動揺していた。



「えっ、おばさん、変なこと言わないで下さい。弥生さん、困ってるじゃないですかぁ……」



「ひとりでアパートにいて、なんかあったら大変でしょ。それに輝は、女に興味ないから襲う心配もないし」



「おばさん、なんかその言い方、僕が女を嫌いで、男を好きみたいじゃない……弥生さん、違いますからね」



マスターの慌てふためく顔を見て、私は笑った。



「じゃあ決まり。弥生ちゃん、また明日ね。おやすみなさい――チロル行くよ」



南さんは、チロルを連れて帰って行った。

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