第176話

みるくとナンちゃんは教頭先生に連れられて学校を見て回った。



「…なんというか、ニューヨークのスラム街みたいな学校ですね。」



ナンちゃんは率直な感想を述べた。


ナンちゃんは改めてこんな学校にジローを通わせていたのかと驚いていた。



学校の廊下にはストリート風の落書きが壁いっぱいに描かれている。窓硝子は所々無い所があり、青いビニールシートで覆い隠されていた。




「そうですか?皆心象風景を表現しているんでしょう。学校内を進んで飾り付けているんですよ。」

と、愛想笑いで言った教頭の額には冷たい汗が流れていた。



こんな所にみるくを通わせて大丈夫かしら?

ナンちゃんは、この学校の評判を前から聞いてはいたものの、その予想以上の荒れ具合に頭を抱えてしまった。



「不気味な所…」

日の当たらない北校舎は、昼間だというのに薄暗く、空気がひんやりと冷たい。それに付けて、割れた硝子に、不気味な落書きが、この校舎に独特な怖さを醸し出させていた。

「あ…あ、あぁ…」

どこからかうめき声まで聞こえてくる。

「な、何!」


教頭は、うめき声のしてくる教室をドアを開けた。

「誰かいるのか?」

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