第171話

パコッッッ!

アイジの頭に前触れなく衝撃が走った。

アイジがジローとの会話に気を取られている隙に、ナツキが庭にあったプラスチック製の植木鉢でアイジの頭を一発やったのだ。



「鎖を放しな!」



アイジはあまりの痛さで鎖を掴む力が緩んだ。

たちまち鎖はアイジの手から崩れ落ちて。



「卑怯だ!」


と、涙目でアイジ。



「悪趣味野郎に卑怯よばわりされる覚えはねぇ。」

ジローはそう吐き捨てると、みるくを抱き寄せ首輪を外した。




「まったく、なんなんだいコイツは。もうあんな無茶なことやるんじゃないよ!」

ナツキがアイジの頭をコツンと打つと、アイジはばつがわるそうに横を向いた。



ジローとナツキはみるくを連れて早く立ち去ろうとしたが、

みるくは何か思うところがあったのか、立ちすくむアイジの方を振り返った。



「君は僕と暮らした方が幸せになれるんだ。」



遠い場所でアイジが言った。



みるくは前に向き直り、ジローとナツキの後を追った。

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