第170話

「ジローくん!?」

みるくはハッとしてジローの姿を探した。

ジローはアイジの家の庭園の生い茂った薮を掻き分けて入ってきた。



「みるく!こっちに来い!」

ジローが差し出した手を掴もうと、みるくはジローの元へと歩み寄ろうとした。



「ダメだよ。みるくさん。」

アイジがみるくの首に付いた鎖を握った。

「アイジくん…」

みるくは後ろを振り向き、物乞いするような目をした。



「みるくさんを解ってあげられるのは、僕だけなんだ。」



アイジは鎖を手繰り寄せた。



「悪趣味なことやってんじゃねぇよ。」

ジローはみるくの鎖を外そうと、アイジの手を握った。




「みるくさんに告白されて逃げ腰になる君に、みるくさんと向き合う覚悟があるの?」



アイジはジローに挑戦するように言った。

ジローの、アイジの手を掴む腕の力が少し緩んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る