第160話

テンパるみるくの心境を見透かすように、アイジは眼鏡をはずし、その裸眼でみるくの瞳を覗き込んだ。



「やっぱし、どっかしらでジローくんのこと想っているんだね。」



みるくはギクリとした。


心の中でジローの名前を何度も呼んでいること。


「口に出てた?」



「いや、僕に君の思念が聞こえるのさ。」





みるくは魔法にかかってしまったかのようにアイジの瞳に釘付けになってしまった。

アイジの全てを飲み込むブラックホールのような漆黒の瞳に。

眼鏡がまるで彼の使う魔術の封印になっていたように思えてしまうほどだ。アイジは、みるくに魅了の魔法をかけようとしていた。




「みるくはジローくんが好きなの。ジローくんの彼女になりたいって思ってるの。」

みるくは魔法を振り払うように言った。

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