第109話

〈切るぜ。〉


〈おぅ。もう見つけたしよ。〉




急に眩しい強い光りがみるくを包んだ。



バイクに乗ったジローが颯爽と現れたのだ。



ジローは眩しさに顔を顰めるタケル達の間をくぐり抜け、みるくを庇うように腕の中に寄せた。




「ジローくん…」

みるくは安堵の表情を浮かべた。




「タケル、俺が言った女はこいつだぜ。」


タケルは素知らぬ顔で横を向いた。




みるくはジローにしがみついている。




「悪かったなみるく。まさか、あのまま居なくなるなんて思ってもみなかったんだ。」




みるくは小さく頷いた。




「見つかって良かった。独りで恐かったろ。マジでごめんな。」




みるくはジローの広くて温かい胸に顔を埋めた。

頭を優しく撫でられると細い肩を震わせて、涙を流すのだった。





「あーあ、興ざめ。」

タケルはそう呟くと、友人達を引き連れてこの場所を去って行った。

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