第108話

今日はこんなことばっかりだ。



独りになって男の人に追い掛けまわされる。

今度こそダメかも。

ジローくんに会えないまま…




暗闇に目が馴れた頃、みるくは逃げ場を失った。





何人かの影がみるくを覆う。

まるで魔物のような黒い影が。


この夜は月が出ていなかった。沢山の星の朧な光りに、脅える小さなみるくが照らし出される。







すると突然ケータイの着信音が鳴った。


〈あー、何?ジロー。〉


〈うん。俺、今ラブホの跡の所。〉



電話に出たタケルは通話を切ろうとした。



〈あ、待てよタケル。車見たぜ。今同じ所にいるんだろ?探してる。それからあの写メの女、ふざけんなよ。俺の言った特徴と合ってねぇじゃん。巨乳で目のパッチリしたサラサラのセミロングの髪形で、マシュマロっぽい女だっつったのによぉ。巨乳でもセミロングでもねぇじゃん。〉




〈あー、わかったわかった。どうでもいいじゃんそんな女。〉




〈どうでもよくねぇよ。協力してくれるんじゃねぇのかよ。〉



電話の向こうでジローは舌打ちをした。



〈ったくよぉ。相変わらずこんな不気味な所で趣味の悪いことやってんのな。〉

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