第106話

「タケルはさぁ、もっと喋る女が好みだと思ってた。」


「そうそう。」


「オレは限定した覚えはねぇなぁ。女の子なら誰だって来い!ってかんじだけど。」




酒と酒のつまみを囲んで、野外でのタケルと友人達の宴会は盛り上がった。



「なぁなぁ、何にも食べてないじゃん。」


タケルの友人の一人がみるくに話し掛けてきた。手にビールを持ち、勧めてくる。


みるくは首を横に振った。

「そっかぁ、見てわかるけど学生だったね。そりゃ飲めないか。」




みるくはタケルに請う。

「いつジローくんに会えるの?」



「…もうどうでもいいじゃん。」



タケルはみるくの肩に腕を回した。





 タケルやその友人達はよく、この廃墟のラブホテルを宴会の場所にしていた。

この廃墟は国道沿いとはいえ山の寂しい場所に在り、忍び込んで勝手をやってもバレないため、夜な夜な若人の集まる集会場のようになっている。




夜な夜な若人達は、暗い廃墟で酒を酌み交わし、愉しい気分になったあと、獣のようなノリで秘密の快楽を味わうのである。




 誰かが照明代わりの車のライトを消した。

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