第88話

「うん…」



みるくは深呼吸をして今までの経緯を話した。



話し終えると、ナツキは首を傾げながら、

「…みるくは…元は牛だったけど、百万円の水晶玉で人間になって、それで、お金を百万稼がなきゃならないっての?」


と、みるくの話しを確かめるように繰り返した。


「うん。ジローくんのために人間になったけど、ジローくんには自分で何とかしろって言われちゃった。」




「ふぅん。」




ナツキはまゆをひそめ、思った。

このコの言ってること妄想だよね?

そりゃおっぱいなんか牛くらいありそうだけど…

想像力が豊かなコなんだ。

人魚姫みたいな例え話なのかな?

本当はどうしてそんなことになったかなんて人に話せないのかも。

しょうがないよね。見ず知らずのうちなんかに本当のことは話せない。



「みるくは、人魚姫なんだね。」



「人魚姫って?」



「おとぎ話だよ。

人魚姫は世界の違う陸の上の人間の王子様に恋をしてしまって、人間になる薬で海の世界から陸に上がるんだけど、その薬の副作用で口がきけなくなってしまうの。だから、王子様の近くに居ることができても気持ちを伝えることができない。そして人魚姫は結局…」

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