第63話

昼間だというのに薄暗い路地裏は、ごみ箱やらはみ出た残飯やら鼠の死骸などが転がっていた。



そんな不気味な狭い道を走り続け、それは果てしない時間な気がした。



息も切れ切れに、幾重の角を曲がり、



後ろから追い掛けてくる男に気を取られて、前に人がいるのに気付かずに、おもいっきりぶつかってしまった。

「何!?」



コケたみるくは慌てて起き上がり、後ろを見た。



「捕まえた。」


男はみるくに覆いかぶさってきた。



「イヤー!放して!放してよ!」



すると、みるくがぶつかった人は嫌がるみるくをがっちり掴んだ男を見るなり、パンパンに膨れたごみ袋を投げつけた。



「何やってやがる!この痴漢!」



男は驚いて倒れ込んだ。


「ジローくん?」



みるくは助けてくれたその人をごみ袋の向こうにみつめた。

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