第62話

「出口はどこ!?」



みるくは必死で走り回った。

横にずらりと並ぶドアを全部片っ端から開けてみたが、

どの部屋も同じ、

大きなベットとガラス張りの風呂場があるだけ。


怖いよ。

怖い。

どのドアを開けても同じ部屋が待ってる。


ソープの甘ったるい臭いが鼻につく。


まるで知らない世界に迷い込んでしまったみたい。


「ジローくん!助けて!」




泣き叫んで最後に開けた小さなドアは、やっと外に繋がっていた。



大きなビルとビルの間の薄暗い狭い道。



後ろから餓えた男が追ってくる。


「お前は逃げられはしないんだよ。金を払わなきゃならないんだろう?お前はここで働くしかないのさ。」




怖い。

でも、いったいどこに逃げ込める所があるの?


帰る所なんてないのに。

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