第59話

みるくは何も言えなくなり、うつむいた。


…ジローくん…






二人がその店に入ると、昼間だというのに薄暗い怪しげな部屋に通された。



やがて、顔に吹き出物の痕がある小太りの小柄な四十過ぎくらいの男が出てきて、みるくの向かいのソファーに座った。



「ご苦労さんです。ヤマギシさんにはいっつもいい娘を紹介してもらって助かってますよ。」




ヤマギシと呼ばれた坊主は、静かに出されたコーヒーを口に運んでから小さく頷いた。



「ところで今回はどんな悪どいことをしたのか…いや、人聞きの悪い話しですが。ずいぶん可愛いお嬢ちゃんですなぁ。」



男はいやらしい助平な目線で、みるくの体を舐めるように見つめた。




「ゼゲンのヤマギシってここら辺じゃアンタも有名になったもんだで。その若さでどんだけ女を、人を、喰い物にしてきたことか…考えただけでゾッとします。」



男は言いながらおぞましい笑い声をあげた。

坊主も同調して笑みを浮かべた。


「ゼゲンと言うならあなたの方ですよ。どれだけの女があなたに泣かされてきたことか…」



たちまち部屋の中は不気味な二つの笑い声に包まれた。

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