第51話

「では、事の次第が明らかになったことですし、代金の支払いをお願いします。」



坊主が少しイライラしながら言った。



「家はこんな大金払えないし、困ったもんだ。」

親父は腕を組んで唸った。


すると、

「っていうか、何で親父さんがお金を払わなきゃならないの?」


 ナンちゃんが突拍子もないことを言い出した。

それに対して親父は反論する。


「そりゃ、みるくちゃんは家の一員だから、大黒柱のわしがそれを払うに決まっとるだろ。」



「何でよ、親父さん。昨日いきなり裸で現れた得体の知れない娘のために、なんで家が払わなきゃならないのよ。」



「みるくちゃんは元々家の牛だったんじゃん。それならわしが払うのに道理があるだろう。」



「そんな!!

だいたいこの坊主の話しもみるくって名乗るこの娘も信用できたもんじゃないわ。二人でグルになって家から金を騙し盗ろうとしてるのかもしれないのよ。」



親父はナンちゃんの瞳を見透かすように見つめた。

「ナンちゃん…昨日はみるくちゃんに服着せて、綺麗だって一緒なって喜んでたじゃないか。」

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