第32話

親父とナンちゃんがジローのことで言い争っているとき、

みるくは、見たこともないキラキラとした服に釘付けになっていた。


「あの・・・これ、どうやって着るの?」



そう言って体にあてて見せたのは、コスプレコレクションの中に混じっていた白いスパンコールのイブニングドレスだった。



「コレも服なの?すごく綺麗」


ナンちゃんはそんなみるくが微笑ましくて、


「着てみるの?」



「うん」



「いいわ。着せてあげる」



と、隣りの部屋へ誘導し、みるくの体に着付けした。



「まぁ!ひとの物にしては、まるであなたのために作られたみたいなドレスねぇ。サイズもぴったり」



みるくは、ベタ褒めのナンちゃんの言葉に照れて、顔がぽっと赤くなった。



「ここに姿見があればねぇ。あなたがどんなに綺麗か自分で見れるのに。まるでお嫁さんみたいよ。フフっ」

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