第30話
いかにもスケベそうな親父。この男はジローの父親なのだ。
「何だよこの服は!?」
「ジロー、可愛コちゃんにそんなつまらん格好させちゃならんよ」
「はぁ!?」
「みるくちゃんも、そんな可愛くない恰好したくないよねぇ」
と、親父は、両の人差し指をみるくの胸に向けてクルクル回しながら、
「白いTシャツにピンクの乳首が透けてるよ」
と、胸の先にチョンっと当てた。
「きゃっ」
「親父ー!!この野郎!」
ジローは親父に殴りかかったが、親父はそれをひょいっとかわした。
「何だよジロー。父ちゃんはジローだって、彼女のチャイナ姿とか女王様姿を見たいと思って用意したんだぞぉ」
「キモいんだよ。だいたいどっからこんな服出してきてんだ」
「お前のママが残していったものだよ。みるくちゃんが着るのに丁度いいだろう」
「な!?」
ジローは親父のその言葉で面食らった。
「俺の母親の?」
「そうだぞジロー。父ちゃんとママはこのコレクションで子作りに励んだんだから。この服達のお陰でお前がいるんだぞ」
「吐き気がする。冗談じゃねぇよ。なんだってそんな胸クソ悪いもんとっておくんだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます