第29話

胸から足の先までキレイに洗い終え、乾いたタオルで体を拭いてやって、服を着せてやった。



「う~ん・・・ガサガサする・・・」



ブカブカなジローの服を着たみるくは、気持ち悪そうに体をくねらせた。


ジローはそんな悩ましいみるくの仕草にも無反応だった。

なぜなら、みるくの滑らかなきめ細かい肌を触っている最中、自分の意識を奥深くへと閉じ込めてしまっていたからだ。

その余暇で、みるくのどんな仕草にも無反応にならざるをえなかった。


そうでもしなければ、女の子の裸を前にしてまともな神経ではいられなかったのだ。


そんなジローはボーっとしながらみるくを居間へと誘導した。





するとそこには、先ほどと様子の違った居間の姿があった。


不可思議な洋服が所狭しと並べられているのだ。



セーラー服、

チャイナドレス、

ナース服、

虎柄のビキニに、

メイド服まで選り取りみどり。


まるで秋葉原のコスプレ喫茶のようだ。


家になんでこんなマニアックなものが?

と、首を傾げていると、後ろから中年の男の歓喜の声が。

「オゥ!来たな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る