第28話

ジローは、恥ずかしさで何もできなくなってしまった。



「もうお前、何にも言うな」



「ジローくん?」



みるくはよく分からないことだらけで首を傾げた。

ジローの行動が不可解そのものだった。


裸の自分を嫌がっていたのに触ってきたし、だけど、触ってきたと思ったらまた不機嫌そうに顔を背ける。いったいどうしたらいいのか分からない。



「ごめんね。ジローくん」



「何でお前が謝るんだよ。お前、もう黙って座ってろや。頼むから」



ジローはみるくの手からタオルを奪うと、みるくの体をまた洗い出した。



「早く終わらせるから勘弁な」



ジローは先ほどのよからぬ考えを捨て去り、無心になってみるくの体を洗った。

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