第15話

二人が悩んでいると、公道をこちらに歩いてくる人物がいた。



「雌牛みるくは、人間になることを選んだか・・・」



いきなり口をはさんできたのは、昨日みるくに話しかけていた坊主だった。





この坊主のことをジローとナンちゃんの二人は知っていた。


いつも家にきては、訳の分からない水晶玉や掛け軸等を法外な値段で売りつけにくるのだ。




「何か家に用?」


ジローがガンつけした。



「今朝方、輪廻の門が開いたのを感じたのですが。やはり・・・

こちらに身元の知れん裸の娘がいたでしょう。あの娘は、輪廻の瑞玉によって牛から人へと生まれ変わった存在なのです」


ジローは首を傾げた。

「何言ってんだこの坊主」


ナンちゃんはハッとした。

「ちょと!このお坊さん、あのお嬢さんのことを知ってるのね」

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