第26話

電車に10分揺られ、駅に到着した。



電車から降りたのは、学生と、スーツを着たサラリーマンと、私の3人だけだった。



跨線橋の階段を登り始めると、反対方向から、『ドン、ドン、ドン』と力強く階段を駆け上がる足音が響いた。


古びた木の建物だから、振動まで伝わる。


その人は、今の電車に乗りたくて走っているようだが、電車は今、出発してしまった。



可哀想だなぁ……


そう考えていると、



「さ、沙也加さん……お帰りなさい」



と、聞き覚えのある声が、私の耳に届いた。



上を見上げると、そこには息を切らしながら佇んでいる、侑くんがいて、私は驚いた。




「えっ……どうしたの?何処かに行くの?」




私はケーキを持っていたことを忘れ、残りの階段を駆け上がった。




「さ、さや、沙也加さん、待ってた」



私はその時、彼は私の送ったメールを見て、駅に迎えに来たのだと思った。

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