第21話
怪我も完治し、包帯で巻かれたギプスと松葉杖に、私はサヨナラをした。
病院から帰ると、彼はすでにアパートの前にいて、私の帰りを待っていた。
電話で約束をした訳ではないのに、彼は帰る時間を予想し、まるで飼い主を待つ愛犬のように、嬉しそうに私を出迎えた。
「お、お…おかえりなさい」
「ただいま」
「包帯……と、と、とれた」
「侑くんの看病のおかげで、元気になれました。ありがとう」
休養から10日間。彼は毎日、私の所へ来てくれた。
掃除や洗濯までしてくれ、
彼のおかげで、部屋がゴミ屋敷にならなくて済んだ。
私は看病のお礼に、彼に料理をふるまおうと考えていた。
「侑くん、ハンバーグ作るけど食べてかない?」
以前テレビ番組に、ハンバーグ特集が放映された時、彼は食い入るように、それをずっと見ていて、
ハンバーグが好物なのだと、私は予想した。
「た、た、食べたい。沙也加さんのハンバーグ食べたい」
案の定、彼は大はしゃぎ。
私は久しぶりに料理の腕を振い、母親になった気分だった。
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