第20話
それから毎日、彼は私の家に来て、看病をしてくれた。
近くのコンビニに、買い出しに行ってくれたり、洗濯をしてくれたり、部屋の掃除をしてくれた。
食べ物は必ず、『あ〜ん』と言って食べさせてくれる。
手は使えるから、1人で食べると言ってみたのだが、彼の中では、それも含めて看病らしく、止めようとしない。
その『あ〜ん』の時、彼は鼻が触れそうになるぐらい、顔を近づける。
彼の心はまだ子供で、私を女と認識していないようだ。
それはそれで、気楽で楽しい。
それに彼は、私の過去など聞くことをしない。
もしもそれが女友達だったとしたら、「彼氏いないの?」「結婚は?」「どこの出身?」とか、根掘り葉掘り聞かれて、私はきっと疲れてしまう。
だから彼といると、楽で、居心地が良く、嫌な事を忘れられた。
そんな楽しい時間は、17時30分ぐらいに終了し、彼は17時45分には帰って行く。
お父さんにバレないように、お父さんの仕事が終わる前に、家に着きたいらしい。
親に内緒な点は、ちょっとだけ気が引けるが、
怪我が治る間までだと思い、彼の看病したいと言う気持ちを、私は喜んで受け入れていた。
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