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「お金はみんなお金だよ。綺麗も汚いもない。


それに、この世界に入った時点で綺麗な世界は存在しない。私もマナもあの人たちも。綺麗な世界の人達からしたらみんな同じようにしかみられない。


ただ、お金だけが幸せじゃないと思う。お金があればできることはいっぱいある。お金がないとできないこともいっぱいある。


でも、私は、お金がなくても幸せだった。人を幸せにするのは、人なんじゃないかな?」



「そんなの綺麗ごとよ!結局お金がないと生きていけないんだから。


うちはすごく貧乏だった。服はおさがりばっかり。いつも同じ服ばっかり着てた。


そのせいで、学校ではいじめられた。中学生になっても『貧乏人、きもい、汚い、ブス』って、言われ続けた。期限切れの弁当を食べさせられたこともあった。貧乏だから。ブスだから。」



「それは違うよ!貧乏のせいじゃない。顔のせいじゃない。


悪いのはいじめたやつらでしょ?人を幸せにするのも人。人を不幸にするのも人。人のせい」



「あんたに何がわかるのよ!」



「わかるよ。私はそれを知ってるから。私が言えることじゃないのもわかってる。


だけど、マナ。もっと自分を大切にして?今のマナは全然キレイじゃないよ。お金あるはずなのに、全然幸せそうに見えない。


幸せになって。マナには、幸せになって欲しい」



「……」



「じゃぁ、私は行くね」





バタン。



痛い。心がすごく痛い。


マナに言ったこと全部が痛かった。



切ってしまえばいいのかもしれない。


本当は自分で自分を苦しめてることもわかってる。



でも、一度動き出したら、もう後には戻れない。


止まることすらできないんだ。

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