◆
仕事帰り、俺はあの場所へと向かった。
今日は、特に用事があるわけではない。
あるとすれば、あの少女がまだいるのか見に行くことだ。
この時の俺にとって、少女に対する感情はただの興味本位から心配になっていた。
そのもやもやする感情を携えて、その場所へ行けば、昼と同様に少女はいた。
誰かを待っているようで、誰も寄せ付けないオーラ。
それに俺も近づくことはできなかった。
その日から俺は習慣のように少女の元へ行った。
変わらずそこにいる少女。
待ち合わせでないことは明らか。
でも、寄せ付けないオーラに声をかけることはできなかった。
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