久しぶりの友人との再会に話もお酒も進み、だけど終電までに帰ろうとほろ酔い気分で駅に向かっている時だった。




不意に目に入ったものに、足を止め、思わず二度見をしてしまった。



さっきと同じ場所に、同じようにあの少女がいたのだ。



あれからどれくらい時間が経っているか正確にはわからないけれど、少なくとも3時間以上は経過しているはずだ。



待ち合わせならもう絶対にその人は来ないだろう。



もしかして、彼氏に振られてしまったのだろうか。




そんなことを勝手に想像しつつ、気になりながらもそのまま駅へと向かった。





《一度目は偶然》


《二度目は―――》






次の日は、仕事の用でたまたまその場所を通った。



なんとなく気になって昨夜少女がいた場所を見れば、少女は昨日と同じ場所に同じ格好のままそこにいた。



「(まさか、ずっとここにいたわけじゃないだろうな…)」



名前も知らない、何も知らない、関係ない子なのに、それからその少女が気になって仕方なくなった。

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