初めて彼女を見たのは、飲み会のあった夜だった。




その日、俺は久しぶりに大学時代の友人と飲む約束をしていた。



約束の時間に間に合うように仕事を早めに切り上げると、電車に乗り込み、いつもは降りない駅を降りた。




相変わらずこの街は人であふれかえっている。



そして若者が多い。



今年25歳になった俺は、社内ではまだ若い方だけれど、ここにくると急におじさんになった錯覚がしてしまう。





そんなことを思いながら、待ち合わせの店に行こうとした時だった。




そこは、よく待ち合わせに使われている場所。



その場所に、ひとりベンチのようなところに腰をかける少女がいた。



見た目は派手な化粧をした今時の女の子。



なのに、どこか違和感を感じた。



それは見た目じゃなくて、なんとなくの雰囲気。





この時は、それになんとなく目が止まったんだと思う。



けれど、この時は大して気に求めず、俺は待ち合わせの場所へ向かった。

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