黒い背景に白い文字が浮かぶ。



綺麗に並んだ無機質なそれからは、助けを求める叫びが聞こえる。



何年も昔から、悲劇は繰り返されるものだ。





始まりなんて、本当に些細なこと。


ちっぽけなことで、ちょっとしたことで、そんなもんで人生は簡単には崩れる。




きっかけはちょっとしたケンカかもしれない。


何かちょっと気にさわることをしてしまったからかもしれない。



それでも誰かが「キモい」と口にすれば、誰かが「無視しよう」と言い出せば、いじめは始まる。



今までただのクラスメートだった人が、突然気持ち悪い人になる。


今まで普通に話していた人を避けるようになる。


菌扱いして、机を触ることすらしない。




誰も本人の立場では考えない。


自分が急にバイ菌になった気持ちを考えはしない。



今まで普通に話していた人が、急にバイ菌になるはずはないのに。


机が触れないほど汚くなることなんてありえないのに。



でも、みんな避けるんだ。



次は自分がいじめられたらどうしようと思う人もいる。


そういう状況なら仕方ないのかもしれない。



でも、面白がっている人もたくさんいる。


ただの遊び。



空気に合わせて、ただその流れに乗る人もたくさんたくさんいる。



罪悪感のかけらもなく。



それで人をどれくらい傷つけているかもしらないで。




そのせいで、ずっとその人たちには気持ち悪い人という認識をされてしまうことを。


そのせいで、前に出られなくなることもあるということを。


その土地にいる限り逃れられないしがらみがあることを。


離れたところで傷ついた心では自分を変えることは難しいということを。



何も考えてない。


何も、考えない。

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