何かがなくなれば、何かが生まれる。
毎日、
世界のどこかで誰かが亡くなり、
誰かが産声をあげる。
誰かがこの世から姿を消せば、
誰かがこの世に姿を現す。
全てを忘れたかった。
見てきたものを、感じたものを。
全部全部なくなればいいと、なくなって欲しいと強く強く思った。
だけど、忘れるには“それ”は強烈過ぎた。
何かを失うためには、何かを見出さなくちゃいけない。
“それ”よりも強烈な何かを。
私は私のために私を殺し、
私は‘私'を生み出した——…
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