次の日、彼女はいつものように笑った顔をしていた。



いつものように、莉央たちは彼女に笑いながらいたずらする。


罪悪感のかけらもない。



あの4人の行為に嫌悪感はない。


彼女に対するのは憎しみじゃない。


彼女はあの4人にとって、おもちゃみたいなもの。




あの4人は本当にふざけてるだけだから、そこに暴力はない。身体的なものは。



あるとすれば、言葉の暴力だ。



それは直接的なものではなく、ネットの掲示板という間接的なもの。



そんなものは見なければいい。


そう彼女も思っていた。




でも、まだイジメだと認めてない頃、躊躇いながらもボタンを押してしまったのだ。



そこには、はっきりと名前は書いてない。


それなのに、自分のことだということは張本人だからこそ、わかってしまう。



傷つくとわかっていてもみてしまうのは、まだ微かな希望を抱いていたからだろうか。

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