第14話

本当に…。困る。


こんなの私じゃない。


捨て去ったはずの恥ずかしさが心の奥底に戻ってくる。



こうなったのも全て侯爵様の所為だ。


彼が見境なく私を求めた所為。



そう。結婚するなり彼は何の躊躇もなく私の体を手に入れて、週3日どころか毎日のように求めてきた。



場所時間問わず、侯爵様の思うまま。


何度も何度も自分を覚え込ますように私を抱いた。



その所為か与えられれば欲しくなるし、どうやればどう反応を返すか完全に熟知されている。


自分よりも自分のことを知っていると言っても嘘にはならない。



いつも簡単に快感のスイッチを入れられて、真っ昼間から誰かに声を聞かれやしないかとヒヤヒヤしてしまう。

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