第8話

しくった……。


毎日、毎日、飽きることなく恥ずかしい要求をされて、メンタルが崩壊しそうだ。



本当にとんでもない。



妻と言うのは名ばかり。


侯爵様を見ていると、まるで人形遊びでもしているかのよう。



暇さえあれば自分好みのドレスと装飾品を購入して、私に着せては何時間も遊んでいる。



NOは極刑。返事はYES。


何を言われようと全てニつ返事で頷かねばならない。



見掛ければ跪き、帰れば秒で飛んでいき、呼ばれれば膝枕、脱げと言われれば脱いで、お風呂に入りたいと言われれば付いていき、何か要求されれば笑顔で“うんうん”と頷く日々。



自尊心とか羞恥心とか、そういった類のものが消えていく。


木っ端微塵に粉砕されて全て奪われていく。



1歩、外に出れば敏腕で遣手やりて、仕事が出来るともっぱら評判らしいが、家の中では結構酷いものだ。




変態。


その呼び方が相応しい人を私はあの人しか知らない。

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