第7話

高価な装飾品で埋め尽くされた絢爛豪華けんらんかれいな館の一室。


ふわふわのソファに座り、恨みを込めて小さな声でポツリと一言。



外から聞こえる鳥のさえずりをBGMに、メイドが運んできてくれた紅茶を手に窓から見える景色を眺める。



外に広がる景色は見渡す限り緑と花に埋め尽くされていて、どれだけ目を凝らしたって塀が見えない。


野うさぎやリスが追い掛けっ子しているし、何なら馬とか羊とか走っていてもおかしくない勢いだ。



館の中も常識じゃ考えられない程の広さと豪華さ。


パーティー用の広間もあるし、一部屋が全てゆったりサイズ。 


使用人の部屋も入れたら結構な部屋数になる。




館の主は国で1、2を争うほど超お金持ちなリュカ侯爵様。


莫大ばくだいな資産を持っている彼はお金だけじゃなく、ここら辺り一体の土地を全て所有している。




そんな超お金持ちのリュカ侯爵様と街で出会った私…エマは、訳あって私を欲した彼と親しくなり、関係はあれよあれよと深い話をする仲へ。



本来なら話すことも出来ない雲の上の存在の人。


近寄んな…!と、周りからのヤッカミはそりゃ凄まじいものだったが、何しろ病気の弟の為に働き詰めだった私。



ちょっとラッキーと思って、ドあつかましくも何かお金になる良い仕事はないか聞いてみた。


すると『妻として献身的に仕えてくれたら弟君の治療費を肩代わりしてあげる』と夢のような条件を出され、飛び付くように承諾。



まぁ、来てみて内容を聞いてみたら、ちょっと微妙なアレだったが、それもこれも全ては弟の為と我慢し、嫁ぐこと1ヶ月。

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