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『おいでおいで』と手招きする雅人に素直についていき、一緒に奥の部屋へと入る。
「今日はみんなと一緒にいたんだねー」
そう言う雅人は、楽しそうというか、嬉しそうだ。
「洸大に連れてかれて…」
「やっぱり洸大に任せて正解だったね、耀」
「あぁ」
「え?」
ここでもまたまさかの総長様。
私にはわからない話しに首をかしげる。
洸大が何?何が正解?
「南里ちゃん、楽しかった?」
そんな私に構わずニッコリ笑って問いかける雅人。
「え?あ、まぁ」
私はよくわからないまま、とりあえず思った通りに答えた。
「ならよかった。たまにはあいつ等のところにも行ってあげて。ここにいても暇でしょ?外には出してあげられないけど、溜まり場内なら自由にしていいから」
「あ、うん…」
もしかして、このために洸大と一緒に来させたのだろうか?
私が炎雷のみんなと仲良くなれるように…?
『ここにいても暇だろうから』
いろんなことが制限されている現状。
学校までは送迎で、学校では洸大が常にそばにいて、学校が終わればここで過ごす生活。
自由は限られている。
それは最初は嫌だったけど、自業自得なところもあるからと、もうとっくに諦めていた。
けれど、そんな私に少しでも自由を与えようとしてくれているのだろうか?
今まで、ここにいて特に暇だと思ったことはなかった。
どこにいたって私はどうせ寝ているだけだから、寝てていいなら別にどこでも構わない。
だけど、今日は確かに楽しいと思えた。
私はずっとひとりでいて、人と関わるのが苦手だったはずなのに、いつの間にか人と関わっていた。
そして、それを楽しいと思っている自分がいる。
だけど――…
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