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「コイツがクラ」
「あ、倉科寛太(クラシナカンタ)っす。クラって呼んでください!」
洸大が私に紹介すると、『クラ』と呼ばれた人は、ニッコリと笑顔を浮かべて私に自己紹介した。
「で、なんすか?」
「あ、下駄箱掃除してくれてありがとう」
「え?あー、俺は総長の指示に従っただけっすから」
「え?総長?」
まさかここで総長様が出てくると思わなかったから、思わず聞き返してしまった。
そして、隣の洸大に目を向ける。
てっきり洸大の指示かと思っていた。
「お前を守るように総長から言われてるからな」
私の視線に気づいた洸大は、笑ってそう答えた。
「あ、でも、別に総長からの指示だからやってるわけじゃないっすよ?!仲間守るのは当然っすから!」
‘仲間’――…
「…ありがとう」
それから他の人にもお礼を言った。
みんな『当たり前』だと言ってくれたけれど、私はそれを『当たり前』とは思えないし、ちゃんとお礼はしておきたかった。
その後も奥の部屋には行かず、みんなと一緒に過ごした。
やっぱり私にはわからない話しが多かったけれど、その場にいるのは嫌じゃなかった。
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