P.198

「あ、戸塚洸大」



なんだかんだずっと近くにいた戸塚洸大に話しかける。



「ん?つか、なんでフルネームなんだよ。長くてめんどくせぇだろ?洸大でいいつってんのに」



確かに。


今まで基本的に近くにいたから名前を呼ぶ必要がなくて、心の中で思う分には特に不便を感じなかったけど、実際に声に出してみると、いちいちフルネームで呼ぶのは面倒くさいかもしれない。



「じゃぁ、洸大」


「『呼び捨てなんて恥ずかしくてできな~い』とかねぇのかよ」


「うん」



あっさりと即答する私に、洸大はなぜかため息をついた。



「で、なんだよ?」


「私の下駄箱掃除してくれた人、誰?」


「あ?んーと、クラとシンジと…」


「今日ここにいる?」



「ん?あー、クラ!!」



軽く辺りを見回した洸大は、お目当ての人がいたのか、大きめの声で誰かを呼んだ。




「呼びました?」



ぴょこぴょことやって来たのは、オレンジ色の髪をした私より少し大きいくらいの男の子。


ニカッと人懐っこい笑顔を浮かべる彼は、小型犬みたいで可愛い。

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