P.196

「よぉ、洸大!!…って、姫じゃないっすか?!」


「あ、ホントだ!こんちわっす、姫」


「洸大と一緒なんて珍しいっすね。あ、総長今日あれだからか」


「でも、姫がこっち来るなんて珍しいっすね」


「あ、トランプします?」




戸塚洸大と一緒にいる私に気づいた炎雷の面子があちらこちらから声をかけてくれた。



けれど、次々とかけられる言葉に、返す暇もない。




「姫、こっちに、」


「あの、……」



それでも私はそれを遮るように声を発した。



「「なんすか??!」」



張りのない声は、次から次へとかけられる言葉にかき消されてしまうかと思ったけれど、ちゃんと聞こえたようだ。



私の言葉に、一気に視線が集まった気がする。




「私、‘姫’じゃないんですけど。なんか勘違いされてるみたいですけど…でも、‘姫’なんかじゃないから、‘姫’って呼ばれるのはちょっと…」




私は‘姫’じゃない。


それなのに、『姫』と呼ばれることが引っ掛かった。



「えっ?だって…え?」



私の言葉になぜか困惑する炎雷の面子。



みんなも私のことを‘炎雷の姫’だと勘違いしていたのだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る