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次の日、戸塚洸大は裏門のところに立っていた。
そして、私を視界に入れると、
「よぉ!」
と昨日と同じように笑顔を向けた。
私は見なかったことにして通り過ぎようとした
が、
「おいおい、無視すんなよ」
と腕をつかまれ行く手を阻まれた。
「なに?」
「相変わらず冷めてんな。『おはよぉ!』くらい言えねぇの?」
「それ、本当に言ってほしいの?」
「いーや」
ニコニコと笑顔を浮かべる戸塚洸大を無視して、校舎に入る。
そして、いつもと同様、靴を脱いで鞄にしまう。
「昇降口行かねぇの?」
私の後ろをついてきた戸塚洸大がそう言った。
「面倒くさい」
それは本音。
でも、ゴミ箱状態のまま放置したから、今開ける気にはなれないというのもある。
開けてすぐ閉めてしまったからどんなゴミが入ってたかわからないけど、もしかしたら悪臭が漂っているかもしれない。
と、思ったが、
「あー、お前の下駄箱悲惨なことになってたぞ」
「……」
「おにぎりのフィルムとか、ゴミ箱に捨てろよな~。どんだけ面倒くさがりなんだ」
「……」
「総長がせっかく用意した上履きがなくなったら困るからな、どう対策するか、とりあえず開けてみたらゴミだらけでビビったわ」
「え?」
「知らなかったのかよ」
「そうじゃなくて、上履き、雅人から渡されたんだけど」
「あー、でも用意させたのは総長だぜ?」
「そう、だったんだ」
そういえば、総長様どころか雅人にもお礼を言ってなかった。
最悪だ。
いくら冷めてても、いくら周りに興味がなくても礼儀くらいはきちんとしておきたかった。
自分がどう評価されても構わないけど、人としての最低限のマナーだと思うから。
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